研究員のつれづれコラム：世界の選挙権年齢と飲酒の年齢制限

統計の収集や分析の過程で、研究員が気付いたこと、気になることを書いていくコーナーです。

2015年6月、日本における選挙権年齢を引き下げる法律が可決・成立し、2016年6月から18才以上の若者も選挙に参加できることになりました。

選挙権年齢ランキングのとおり、世界的にも過半数の国で18才から政治に参加することができるので、日本もやっと世界の基準に追いついたというべきでしょう。

選挙権年齢に関連して、酒とタバコについても解禁年齢の引き下げの議論が起こっています。ちなみに、世界的には18才からアルコールを飲むことができる国が過半数を占めています。レストランやバーなど店舗でアルコールを提供する場合の解禁年齢のランキングとして、ビール、ワイン、蒸留酒、自分で購入するなど店舗外で飲酒する場合の解禁年齢のランキングとして、ビール、ワイン、蒸留酒の各ランキングがありますので、ご覧ください。

タバコの解禁年齢については、ほとんどの先進国で喫煙者撲滅に向けた禁煙包囲網が展開中のためか、情報が見つかりません。日々、肩身の狭い思いをしながら煙をくゆらせている日本の皆さんには信じられないかもしれませんが、タバコの価格、タバコの税率のとおり、先進国の中では日本はまだまだタバコのオアシスの部類に入ります。タバコの外箱における警告表示の面積割合で80%以上の国では、もうほとんどタバコは猛毒扱いなんでしょうか。

確かに子どもの健康は心配ですが、若者に政治家を選ぶ権利を与える一方で、飲まない／吸わない選択をする権利も与えないというのはおかしい気もします。ただし、アルコールへの強さは人種によっても異なり、日本人を含むモンゴロイドは酒に弱い部類に入ることは考慮すべきかもしれません。

なお、本サイトには、成人を対象とした1人あたりのアルコール消費量、成人男性の喫煙率のほかにも、未成年者の平均アルコール消費量(法律で許さなくても飲んでます！)、未成年者の喫煙率など未成年者の統計情報もあります。日本では厚労省が未成年の飲酒などの実態調査を実施しているようです。

未来ある若者のことを思うなら、世界保健機関(WHO)も危惧する未成年者の家庭内の受動喫煙率やアルコール中毒率、交通事故に占める飲酒率など、まずは大人が努力して少しでも減らすべき問題があると思います。

老年人口指数や老年人口比率のように、非生産人口とされる65才以上の老人が圧倒的に多い日本においては、年金を受け取る老人が原資を支払う世代を政治的にも支配しています。18～20才の選挙権人口が増えたところで、老人に支配・搾取される若者という構図はずっと変わらないでしょうが、意見の表明は重要ですので、若者の皆さんはあきらめずに選挙では投票に行きましょう。

これからの日本では、団塊の世代の老化により要介護者が大量発生(要介助・要介護状態年数ランキング)し、東京五輪でも呆れる浪費を繰り返し増税しても国の借金はますます増えて、若者にとっては精神的・肉体的にも経済的にもさらに苦しい時代がやってきます。せめて気を紛らわせる酒やタバコが、若者には必要かもしれません。ただし、法改正されるまでは、未成年の飲酒・喫煙は違法行為です！ダメ。ゼッタイ。

ビールの飲酒解禁年齢 TOP5+5
順位	国または地域	ビールの飲酒解禁年齢		偏差値	評価
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1	パキスタン	21才		72.2	-
1	オマーン	21才		72.2	-
1	パラオ	21才		72.2	-
1	ミクロネシア連邦	21才		72.2	-
1	赤道ギニア	21才		72.2	-
...
131	オランダ	16才		34.7	-
131	ドイツ	16才		34.7	-
131	オーストリア	16才		34.7	-
145	中央アフリカ共和国	15才		27.2	-
最下位	アンティグア・バーブーダ	10才		-10.3	-

未成年者の平均アルコール消費量 TOP10
順位	国または地域	未成年者の平均アルコール消費量		偏差値	評価
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1	ベラルーシ	28.3リットル		90.7	E
2	リトアニア	24.9リットル		84.1	E
3	レバノン	23.3リットル		81.0	E
4	ロシア	22.2リットル		78.9	E
5	モルドバ	21.0リットル		76.6	E
6	ラトビア	18.7リットル		72.1	E
7	アルジェリア	17.3リットル		69.4	D
8	ルーマニア	16.3リットル		67.4	D
9	ウクライナ	15.6リットル		66.1	D
9	スーダン	15.6リットル		66.1	D

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